あの日溺れた海は、


 
「い、いない、けど…」
 

冷や汗をかきながらやったのことで答えた言葉も「いーや、この反応はいるでしょ!」「華ちゃん、初恋だあ。」「怪しい…。」と月を除く3人に即座に否定された。

 
「あー、いやー、えっとー。」
 

「誰なの??喬香様に隠し事なんてナシよ。」
 

ジリジリと詰め寄る喬香に恐怖を覚えながら一生懸命視線を逸らした。

 
と。その時。突然部室のドアが開いた。
 


「…っと、すみません、近藤先生がこの部屋に老眼鏡を忘れたらしいんですけど…。」
 

そこには携帯片手に頭をかきながら少し眉を下げた藤堂先生が立っていた。
 

「あー!藤堂先生だ!おじいちゃんのパシリ?そんなの見てないけどなあ。ねっ、華!」
 

藤堂先生を見るや否やすくっと勢いよく立ち上がってそう言う月に、突然話を振られた私は「あ、うん、」としかこたえることができなかった。
 

他の部員も見てないと告げると、「そうか、じゃあ…」と藤堂先生は呆気なく部室を後にしようとしたが。