あの日溺れた海は、


 
「分かってるよ。はな。俺はそんなんじゃ嫌いになるわけないだろ。それも全部知った上で、俺は、華のことが…好きなんだ。」
 
 
好き。
 
 
実際に言葉にされると胸に甘く響く。
 
 
静かに涙をこぼすわたしをあやすように亮は優しく頭を撫でた。

きゅうっと胸が締め付けられるように痛む。
 
 
「ごめん、さない。」
 
 
「ん…。勇気を出して言ってくれてありがとうな。…俺は離れていかないから気にすんな。」
 
 
そう言ってふわりとわたしを抱きしめる亮に抵抗することなく、胸の中で子供のように泣いた。
 
 

ありがとう。亮。
 
 


また、甘えてばっかりだ。
 


でももう大丈夫。
 


わたしももう高校2年生。あの日から5年。
 


もう一人で生きていく大人の準備をし始めなければいけない。