あの日溺れた海は、

と威勢よく歩き出したものの、『今、話せる?』と送ったメッセージには返事どころか既読の文字が一向に付かなかった。


 
悶々とした気持ちで部屋で携帯を見つめてると、通知オンと共にバナーが表示される。

反射的にタップするとラインのトーク画面が開かれた。
 
『お土産、ありがとうございます。原田さんにも伝えておいてください。風邪を引かないように。』
 
待っていた相手からのメッセージではなかったが、緊張していた心が途端に溶けていく。

先生からこうしてメッセージを送ってきたことは初めてで、先程の悶々とした気持ちを忘れて叫びたいくらい幸せな気持ちになった。
 
 
『こちらこそ、ココアありがとうございました!おやすみなさい。』


最後に月の絵文字をつけてそう送ると、一度トークルームと瞳を閉じて悦に浸った。
 
こんなシリアスな場面に呑気なものだ。なんて自分にツッコミを入れると再び通知音が鳴った。