月はうんざり、と言った顔でため息をつく。
「あー。何となくわかるけどさ…自己中すぎ!」
「ま、まあまあ」
「LINEで連絡取れば大丈夫だし!ね!」
伊東さんとわたしは月を一生懸命宥めた。でも月は一向に不機嫌な顔を崩さなかった。
「この際だからはっきり言うけどさ、華と亮くんの友情とか華の優しさを利用してるみたいで本当腹立つ!」
大きめの声でそう不満を爆発させる月にわたしは何も言い返せなかった。それは事実だから。
武田さんはわたしが亮と仲が良くなかったら近づいて来なかっただろう。
「おーい!谷ー!」
少し遠くから亮の声が聞こえた。
声の方を見ると亮がいた。背中には武田さんをおぶっていた。
何事かと思い班のみんなで2人に駆け寄った。
近づくにつれて武田さんの膝に血が滲んでいるのが見えた。
「武田さん!?」
「姫乃!?」
「ごめん、2人ではぐれちゃって、みんなを探しながら歩いてたら石につまづいて転んじゃったみたいで。それだけならよかったけど、足も捻っちゃったっぽいんだよね。」
武田さんの曇った顔を見る限り痛いのは本当みたい。
「とりあえず、保健の先生に連絡してくんない?」
そう言われて谷くんがすぐに携帯で電話をかけた。

