あの日溺れた海は、



修学旅行、2日目。みんなで決められた時間にホテルの食堂でビュッフェ形式の朝食をとった。
 
長い机にクラスの半分くらいの生徒が座って談笑しながら食べる。
 
 
「やっぱ良いホテルのパンは美味しいね。」
 
「ね。スクランブルエッグもやっぱ家のとはちょっと違うよね。」
 
そう星香ちゃんと言い合いながらちらりと、遥か遠くの斜めに席に座る藤堂先生をチラリと見た。

周りに座っている男子の山盛りに積まれたお皿とは違い、ブラックコーヒーにパン1つのみ。

あまりの少なさにわたしは衝撃を覚えた。だって、わたしよりも少ない…。

そんなんだからあんなにスタイルが良いのか…と妙に関心しながら自分の顔の肉を少し摘んだ。…わたしはもっと気にするべき??
 
 
急にそんな行動をするわたしに「どうしたの?」と星香ちゃんは不安げに聞いてきたけど、「何でもない!」と軽く誤魔化した。