あの日溺れた海は、


「華ちゃん、好きな人がいるの?」
 
 
「はえ!?」
 
 
再び車内に素っ頓狂な声が上がる。
バスガイドさんも苦笑いを浮かべた。

そんな事お構いなしに星香ちゃんは「その反応は、いるな〜?」とニヤケ顔を保ったまま聞いてきた。
 
わたしは必死に「いや、えーと、全然!」と訳の分からない返答をしておいた。

星香ちゃんは「なにそれー」と笑って、それ以上は聞いてこなかった。
 
 
それよりももし偶然先生の耳に入っていて、好きな人がいると言うことがバレてしまっていたら…もしかしたら今までの挙動でその好きな人が自分だと言うことを察してしまったらと思うと気が気でなかった。