それから1週間程経ったある日。
この日も部活をする為に、帰りのHRが終わると職員室へ向かった。
職員室に入室しておじいちゃんのところへ向かうと、いつものおじいちゃんからは想像もできないほど忙しなく、電話をしながら何やらメモを書いたり、書類の山を漁っているのが見えた。
そんな姿に内心驚きながらおじいちゃんに近づくと、わたしを視界に入れたおじいちゃんは、鍵のある棚を指差して、それから指でOKサインを作って、最後に片手でごめんなさい、の手をした。
恐らく、鍵は自分で持っていって、という意味だろう、と思って、おじいちゃんに軽く会釈をすると、体を翻して鍵の棚へと向かった。
鍵の棚を開けて、いつも鍵がある場所を見ると、そこだけぽっかりと隙間が空いていた。つまり、鍵が置いてなかった。
それを見てわたしは咄嗟に駆け出した。
もしかしたら赤ペン先生が鍵を借りているのかも知れない。
そして今、部室にいるのかも知れない。
今までに出たことのないスピードで廊下を駆けた。
胸が弾んでいるのは走っているからだけではなかった。

