あの日溺れた海は、


「え、っていうか、武田さんって初めまして、だよね?華と仲良いんだっけ??何でおんなじ班になったのかすっごく不思議〜」
 
 
笑顔を決して崩さずにチクチクと棘のある言葉を送る月に武田さんも負けじと続けた。
 
 
「井上さんとはずっと仲良くなりたかったんだよねぇ〜!これを機に仲良くなれたらなぁ、って。それだけの理由じゃだめなの?」
 
 
「はあ?そもそも人の名前苗字で呼んでる時点で仲良くなりたいっていう意図が見えないんですけど。仲良くなりたいのは華じゃなくって別の人じゃないの?」
 
 
武田さんの鼻声に耐えられなくなったのかキッと武田さんを睨むとそう強く言い放った。
それでも武田さんはその姿勢を崩さなかった。
 

「井上さんとも勿論仲良くなりたいけど、姫乃はみんなと仲良くなりたいと思ってるよ、ね、亮くん。」
 
 
「は、はは。とりあえず、多数決でどっちかにしようか。流石に両方は厳しいと思うし。他にも行きたいところあるだろうし。」
 
 
 武田さんの熱視線を苦笑いで交わすと亮はそう提案した。