「えーっと、センセーがアイスコーヒーで、華はココアとサンドイッチ、ね。私はオレンジジュースとホットドックだから全部で1200円になりまーす!」
そう言って月が置いたカルトンに、わたしがココアとサンドイッチ分の400円を置こうとすると月がわたしの手を制して、「センセーの奢りでしょ?ね?」 とキラキラとしたビームが出ているような視線で先生を見た。
先生はそんな月にフッと笑うと「はいはい」と言いながらポケットから財布を出してカルトンにお金を置いた。
「藤堂センセーが笑ったんだけど、やば!ありがとー!」
ケラケラと笑いながら月はカルトンを手に持つと「ちょっと待っててねー」と商品とお金を交換しに店の奥に消えていった。
「すみません…ありがとうございます。」
「ああ、どうも。」
わたしの申し訳なさそうな声をさらりとクールに交わす先生に大人の余裕を感じてキュンと胸が音を立てた。
と同時に、特別だと感じていた先生の笑顔が、月の前に晒されて…ってこんなふうに表現していることも全て気持ち悪い独占欲でしかなくて、そんな気持ちを抱いていたと気づいてしまったことにひどく落ち込んだ。
ずーんと沈んでいると、「はな?」と誰かに名前を呼ばれた。パッと顔を上げると隣の席に少し怒った様子の亮と気まずそうな顔をした武田さんが座っていた。

