あの日溺れた海は、


「はなー!彩たちきたよー!…って藤堂先生??」
 

月が彩と玲を連れて教室内に戻ってきた。
 
 
「ごめんねー、クラスの当番してたんだけど、交代の子がなかなか来なくてさあ。」
 
 
「ごめん、お待たせ、華。…と、藤堂司先生」
 
 
「なんでフルネーム呼びなのよー玲」
 
 
月のツッコミにわたしと彩はふふッと吹き出した。
 
 
「えー、てか藤堂先生いるなら一緒に回ろうよー、ね、センセ」
 
 
月がそう言いながら藤堂先生に視線を送った。


わたしも期待を込めてチラリと見ると、先生は素直に「…はいはい。」と返して、椅子から立ち上がった。
 

好きな人と文化祭を回る、なんてTHE青春なこと、できると思っていなかったわたしは、嬉しくて気持ちが爆発しそうで、ぴょん!と跳ねるように立ち上がった。
 

「やったー!じゃあうちのクラスのカフェ行こ!」
 
 
月はそう言うと、わたしの手を取って「奢ってもらおうねー!」とニカっと笑った。

わたしも同じように笑った。