そう考え込んでいるわたしを見て、「あ、何となくだけどな。」と続けた。
思い当たることといえば…
赤ペン先生の存在だろうか。
楽しいというか、刺激的というか。
「あーあ。俺はつまんねえよ。授業もわけわかんねえし、部活も疲れるし。」
一人で勝手に会話を進める亮に、わたしは適当に相槌を返した。
「今日の古文で当てられちゃってさ。マジで焦ったわ。あーあ、俺も近藤先生に教わりたかったなあ。」
そうぼやく彼に、「もっと勉強すればこっち来れるでしょ。」と返した。
わたしたちの学年では、古文と数学はクラス内でも2つのレベルに別れて授業を行なっていた。
簡単に言えばわたしは優秀なクラスで亮はおバカさんクラス。
「俺がそっち行けるわけねえだろ。…それに数学もさ〜、藤堂先生だっけ?あいつ、なんか怖いんだよな〜。」
亮の言葉に、あ、そうだ。副担任の名前は藤堂だ。と心の中で呟いた。
その後も亮は一方的に愚痴を吐き続けていたけど、わたしはいつものように適当に流した。

