あの日溺れた海は、



整っている字。それに…この香り。
まず字からしておじいちゃんではないことは断定した。

おじいちゃんの字もきれいだけどもう少し丸みを帯びている。


そしてこの香り…香水をつけている人といえば…女の子?

それならこんなに字が綺麗なのも納得がいく。

それにアドバイスは丁寧語で書かれていることから、すごく物腰の柔らかい人だということが伺える。



このことから、赤ペン先生は『女の子で、香水のいい香りがして、物腰が柔らかい人』だ!



…えっと、だから、その、つまり。





現段階では誰なのか全く見当つかないということだ。


自分のへっぽこ推理に頭を抱えているとぞくぞくと他の部員たちが部室に集まってきた。



「お疲れ~…ってあれ?それ、華が失くしたって騒いでた原稿用紙じゃない!?」

月はわたしの手に握られている紙の束を見るなりそう叫んだ。その声に他の部員も続々とわたしを取り囲んだ。

「あったんだ!よかったじゃん…って、なにこれ。」

喬佳はそう言うと赤い字を指さした。わたしはその言葉に首を振った。