あの日溺れた海は、


 
 そのまま昼食を取ろうという話になってファミレスに向かった。映画の感想を言い合いながらのんびりとオムライスを食べた。
 
 
 ファミレスを出る時も亮は自分が払うと言って聞かなかったので悪いなと思いながら渋々甘えることにした。
 
 
 
 
 食後の散歩がてら本屋へ歩いて向かった。オムライス美味しかったな〜なんて話しているとあっという間に本屋に到着した。
 
 
 文学コーナーに着くなり手に取って吟味しては戻しを繰り返していた。欲しい本があまりにも多すぎる。そんなわたしを最初は横で見守っていた亮だったけど飽きたのか、ふらっと少年マンガのコーナーへ行ってしまった。
 
 
 『春の日に』…喬香におすすめしてもらった恋愛小説だ。これは買わなきゃ、と手を伸ばすと、同じ事を考えている人が他にもいたようで誰かの手がわたしの上に重なった。
 
 
「す、すみません!」
 
 
  
「あ…」