あの日溺れた海は、


部室に着くといつものように一番乗りで鍵を開けて中に入る。

古い紙の匂いが緊張していた心を自然とリラックスさせた。


そのまま鞄を置こうと自分の机に近寄ると何やら白い塊が置かれていた。



もしかして。いや。まさか。なんで。


目にした瞬間淡い期待を抱いて逸る鼓動を、なんとか抑えるように言い聞かせながらおそるおそる近寄ると、そこにあったのはわたしが失くした原稿用紙の束だった。



あんなに探してもなかったのに、なんでこんなところにあるの?
まさか外に飛んでいったのを誰かが拾って届けてくれた?
で、でも、それなら何で部室にあるの?
わざわざ鍵を借りて部室に置いておくよりわたしに直接返した方が楽なのに。


次々と湧き上がる疑問を抱えながら、原稿用紙が全部あるのか確認しようと手に取った。