「いいじゃん、恋愛。経験よ経験!
周りには斎藤くんっていう素敵な人がいるんだから」
そう言うと今度はにやにやとした顔でこちらを見つめてくる。
「亮なんかっ「俺がなんだって?」
ありえない、と言いかけた瞬間いつの間にか後ろにいた亮に肩をとんとんと叩かれた。
「あ、斉藤くん!」
月がいつもより少し甘ったるい声でそう答えると、亮は「はは、ドーモ」とよそ行きの笑顔を返した。
「おい、はな、もう100m走の招集かかってるぞ」
「えっ!うそ!」
月とのおしゃべりに夢中になってたあまり、招集の放送さえ聞き逃していたわたしは、亮にそう言われて慌てて準備をする。
「喬香、またね後でね」
そう喬香に声をかけて手を振ると喬香も「うん、頑張って!」と手をふりかえしてくれた。

