あの日溺れた海は、



そんなことを思っているといつの間にか教室にたどり着いていた。

「おはよー!!」と、いつもよりも更に活気の溢れる声でクラスのみんなに挨拶する亮に続いて、既に疲れ果てて鬱々とした表情浮かべてわたしものそのそと教室内に入って自分の席についた。


「はなちゃんおはよ〜…ってあれ、大丈夫?」


机に突っ伏してると笑い混じりに聞こえてきた声に余力を振り絞って顔を上げると、既に青色の鉢巻を巻いている星香ちゃんが苦笑いを浮かべていた。


「うん、ちょっとね…気疲れしちゃって…。」


ハハ、と力なく笑うわたしに、星香ちゃんも笑った。


「あ、そうだ!はなちゃんもポニーテール、する?ゴムあまってるし!」

「え?」

聞くところによると、星香ちゃんと仲がいいグループの子はみんなでポニーテールするようだった。


わたしなんかが、と一度は断ったけど、「いいじゃんいいじゃん!」と半ば強引に、されるがままに結ばれていった。


ついでに鉢巻も巻くね、と巻いてくれ、「はい!」と差し出された鏡で仕上がりを見ると、普段見慣れない自分がいて恥ずかしくなって目を逸らして、ありがとう、と星香ちゃんにお礼を言って鏡を返した。