あの日溺れた海は、

そんな日から1週間ほど経ったある日。
日差しもまだまだ落ち着くことを知らない9月下旬にわたしたちの学校では体育祭が開催された。
 
 
超文化部なわたしは当日の朝も憂鬱な気分が晴れず、足取り重くのそのそと学校へ向かっていた。


「はな〜、早く行こうぜ!」


その隣にいる亮は超体育会系なのでわたしと打って変わって晴れやかな顔をしていてまるで今日の天気のようだななんて思っていた。
 

そんな亮がちょっと鬱陶しくて深くため息をついたが、気分が高まってる亮は気づくこともなくわたしの少し先を軽い足取りで進んでいく。
 

電車の中でもうきうきを隠しきれていない亮は周りの乗客に好奇の目で見られていることすら気づかず楽しげに話しかけてきて、わたしは思わず頭を抱えた。


周りを気にしないところ、空気が読めないところ、能天気なところ、わたしと正反対のその性格はいいように働くことが多いがこういうときは恥ずかしくなって他人のふりをしたくなる。