あの日溺れた海は、



真っ直ぐを向いたまま「い、いえ、不都合なんて。そんな。」と返事をしたわたしは気まずさを抱えながらもペンを取った。


なんでこんなタイミング悪く藤堂先生と2人きりになってしまうのか。
自分の不運さを呪いながら必死に心を落ち着かせてレポートに向き合った。


ええと、卓球の授業で学んだこと…


ルールと、あとラケットの種類とか?


なんでこんなもの書かなきゃいけないんだろ。


不意に生徒たちの歓声がグラウンドから聞こえた。

そういえば今日は体育祭の練習をするって言ってたな。

その楽しげな声に体育があまり好きではないわたしも今日だけはそちらに混ぜてくれ、と懇願した。叶わぬ願いだけれども。