「どうして、小説家になろうと思ったんですか?」 なんの気無しもなく聞いてくる先生の質問にわたしは少し言葉を詰まらせた。 それを語るにはわたしの弱い部分を見せなければいけない。 この話を聞いたら先生はどんな反応をするのだろう。 流石に、まだ癒えてはいない傷口を、もっと深く傷が入ってしまうのかも、というリスクを背負ってまで晒すことはできない。 でも先生は… あの合宿の時、わたしを"悪夢"から呼び覚ませてくれた。 だけど…。 どうしようかと迷っていると、チリン、と鈴の音がした。