先生に、まだお礼ええてなかったな。
何かあげたほうがいいのかな。
…でも、めんどくさいみたいな顔されたらどうしよう。
あの張り付いたような笑顔も、バリアを張られてるようで実はちょっと傷ついたりもする。
いやいや、でも合宿についてきてくれたんだしなにかあげるべきだよね?
でも…なにが好きかなにが嫌いかとかもわかんないし…。
そう葛藤しながらも結局なにも選ばずレジへと並んでしまった。
水族館から出ると来た道を戻り、途中SAで昼食を食べながら、夕方にはわたしたちが住む街に帰ってきた。
「じゃあ井上さんの家に向いますね。」
来たときと同じ順番に送り届けていったのでわたしは最後の一人になっていた。
結局昨日のお礼をしなきゃなと思っていたものの、二人きりになる時間がなく、どこから話したらいいのかもわからずに未だにい言えずにいた。
今が最後のチャンスだな、と、運転席の後ろに座るわたしは思った。
しかし車内は沈黙を貫きながらついに最後の曲がり角まできてしまった。
そこを曲がればわたしの家はもうすぐだ。

