あの日溺れた海は、

合宿の2日目は旅館から30分程車を走らせたところにある、大きな水族館行くことになっていた。


「うわあ、綺麗…」


大きな水槽の中に様々な魚たちが自由に泳いでいる様を見て、わたしたちは感嘆の声を漏らした。




「せんせーって彼女とこういうところ来ないんですかー?」


水槽に張り付くように魚たちを見ていた喬香がふいに振り返り二歩後ろで同じく水槽を見ていた先生にお茶目な声で問いかけた。


先生は質問の意図が分からない、と言っているかのように思いっきり眉間に皺を寄せると「はあ。」と曖昧な返事をした。


「まあ先生は外でデートしなさそう。」


けらけらと笑いながら月が言う。


「確かに〜ていうか彼女いるんですか?」


そう問いかける彩に一寸の隙もない笑顔を浮かべて「ノーコメントです。」と言うとスタスタと先へ行ってしまった。


そんな先生の言動が面白くて笑いながら「まって〜!」「教えてよ〜!」と追いかけた。