この恋は、『悪』くない。


「よ!
山咲、最近オレのこと避けてる?」



「え、あの…」



アレから

樽崎くんをなるべく見ないようにしてた



帰る方向が同じだから

時間をずらしてた



なんでかって…



異次元の人だから



それから…



好きになったら

ダメだから



「ごめん…
オレ、またこわかった?
また睨んでた?
ホント、無意識なんだわ
気をつける」



樽崎くんを見たら

眩しくて見れないくらいの

笑顔だった



ほら

そんな笑顔向けられたら

誰だって好きになるよ



「あ、山咲また目そらした!」



そりゃ

そらすよ



そらさなかったら



死にます



「山咲も帰るだろ?」



「はい…
あ、うん…」



注意してたのに

玄関で一緒になってしまった



生きて帰れるかな…