この恋は、『悪』くない。


「お疲れ様です!」



仕事帰り

会社から出て

振り返ったら



樽崎くんじゃなかった



「お疲れ様です」



何人かいる中で

樽崎くんの姿を探してしまう



あ、いた…



目は合わなかった



あ、車に乗っちゃう



あ、行っちゃった…



もぉすぐ

ビルの工事も終わっちゃうかな



そしたら



もぉ会えないね



もともと違う世界の人なのに

そんなことを思ってしまう



結局

挨拶ぐらいしか

できなかったな