この恋は、『悪』くない。


「お疲れ様です」



会社近くの朝のコンビニ

レジに並んでたら

後ろから声がした



振り返ったら

樽崎くんがいた



え、私?



キョロキョロしたら


「フ…無視?」


樽崎くんが言った



「え、私に言いました?」



「他にいませんけど…」



「お疲れ様です!」



「て、まだ疲れてないか…
おはようございます、か…」



「あ、じゃあ…おはようございます
あ、おはよう…」



髪に隠れた樽崎くんの顔は

どんな顔をしてるのかな?



笑ってる?

それとも

怒ってる?



気になった



「あの、今度…」



「2番目にお待ちのお客様!」



隣のレジで呼ばれた



「あ、はい!」



あの、今度…





なんて言おうとしたのかな?



会計が終わって

隣のレジを見たら

樽崎くんはタバコを頼んでた



お先に…



わざわざ

言わなくてもいいか…



カフェオレとサンドイッチの入った袋を持って

会社に向かった



なんか今日は

いい1日になる気がした