この恋は、『悪』くない。


走って会社に戻った



揺れた髪から

タバコの匂いがした



いつもと違う

自分の匂いに

落ち着かなかった



「森谷さん、お待たせしました
アイスコーヒーです」



「おー…ありがと…」



森谷さんと

目が合って

指先が少し触れた



私は

この人に

なんて返事をするんだろう



私を好きって言ってくれた



森谷さんのことは

嫌いじゃない



今までだったら

きっと

付き合ってた



25歳

もぉ学生の時とは違う



そろそろいろんな事を

考える



森谷さんは

どんな気持ちで

さっきの言葉を

私に告げたのかな?