この恋は、『悪』くない。


もし覚えてたとしても

私なんかと知り合いとか

ただ同級生でも

知られたくなかったのかもしれない



電車に揺られながら考えた



やっぱり

話し掛けなきゃよかった



虚しくて

胸が痛くなった



さっきの目

こわかった



でも私は

樽崎くんの優しい目も

知ってる



きっと彼女には

優しく笑うんだろうな



私には

もぉあの優しい眼差しは

向けられない



あの時の樽崎くんは

私を

ホントに好きだったのかな?



山咲のこと、好きかも…



そっか

私も

樽崎くんのこと

好きだったっけ…



答えられなかった



答えてたら

なにか違ってたかな?



もぉ

あの時の樽崎くんには

会えないんだ



こんな気持ちになるなら

会いたくなかったな