「隣のビルの工事の件でお話があるんですが
社長さんか、代表の方いらっしゃいますか?」
「今あいにく席を外してまして…
私でよかったら言付けしますけど…」
「1ヶ月ほど
隣のビルを工事させていただきます
騒音など、何か不都合がありましたら
こちらまでご連絡ください」
名刺を渡されて
作業着を着た男性が2人
頭を下げた
後ろにいた男性に
なんとなく
見覚えがある
顔を上げた時
髪が揺れて
思い出した
この間
助けてくれた人
やっぱり
もしかして…
吸った息が胸の奥で止まった
この前は暗くてよく見えなかった
ハルキ
樽崎くん?
だよね…



