「ねー、誰かと待ち合わせ?」

「オレたちと飲もうよ」

「ちょーど3人だし…」

「ねー、いーじゃん」



大学の時の友達の

25歳の誕生会をした帰りに

酔っ払いサラリーマンに

声を掛けられた



ナンパというヤツですか?



繁華街を

無視して

歩き続けた



「ねー、いーじゃん」

「大学生?」



さっきまで楽しかったのに

最悪



ハッキリ言わなきゃ

ずっと着いてきそう



「あの…私たち用があって…
ちょっと急いでます」



「じゃーまた今度…
連絡先教えてよ!」



強く腕を掴まれた



「きゃ…」



「沙和(さわ)!大丈夫?」



ドン!



前から来た人の肩が

酔っ払いに当たった



「オイ!痛てーな!」



サラリーマンが怒鳴って

打つかった人が足を止めた



肩まで伸びた髪が

サラサラしてた



髪に隠れて

よく顔は見えなかったけど

背が高くて骨格から男の人だってわかった



「嫌がってるだろ
手、離せや…」



その人から

聞こえる声



「は?
キミに迷惑掛けてないだろ」



「いいから、離せ…」



この人

私を助けてくれてる?



「うるせーな
関係ねーだろ
クソガキ!」



どーしよ

ケンカになっちゃう!



誰か

警察!



「おい、どーした?」

「なになに?かわいい子いた?」

「ナンパ?」



後ろから金髪の男の人達が続いて来た



この人の友達かな?

みんな厳つそうで

一見こわそうだった



香水の匂いと

タバコの匂い



「なに?友達?」

「スーツ着てるサラリーマン
コイツの友達のわけねーじゃん」

「たしかに!ウケる!」



ジャラジャラしたアクセサリーが

繁華街の明かりで反射した



首や腕にタトゥーが見えた



スーツのサラリーマンと

対象的な人達



喧嘩になったら

大変