この恋は、『悪』くない。


もともとなかった世界みたいに

アメオも

樽崎くんも

私の前から消えた



アレから

1週間

樽崎くんは学校に来てない



「キャー、ギャハハハハ…」

「キャハハハハ…」



樽崎くんがいない

異次元



あの中心に

樽崎くんは

いたのに…



やっぱり小説の中の人だった?

映画か何かを観てたのかな?



そんなふうにさえ

思えてくる




机から次の時間の参考書を出したら

樽崎くんに貸した本が出てきた



樽崎くん?

学校、来たの?



それとも

この本も

樽崎くんには貸してなんかなくて

ずっとここにあった?



私の思い込み?

夢だった?

樽崎くんもアメも…