この恋は、『悪』くない。


「沙和、眠そう」



樽崎くんの指が

私の目を擦った



「え…
あ、アメ見てたらなんか私も…
でも大丈夫だよ!
メガネ掛けてないからかな?
ちょっとボンヤリする」



何が大丈夫なんだろう



急に樽崎くんが私に振ってきたから

焦ってる





「じゃ、メガネ掛けて…」



樽崎くんが

私の枕元から取ったメガネを

私に掛けた



「見えた?」



「うん、見えたけど…恥ずかしい」



ちゃんと樽崎くんが見えるのと

メガネを掛けてる私を見られるのが

恥ずかしかった



「フ…なんで?かわいいけど…
中学の時の沙和じゃん」



「うん、だから恥ずかしい」



「フ…
オレは、好きだけど…」



もっと恥ずかしくなる



樽崎くんが照明を落としてくれた



「これなら、いい?」



「ん、うん…」



ますます緊張してきた



今度は違うことを考えて

また恥ずかしくなる