パチン…パチン…



樽崎くん足の爪切ってる



普段は大きいのに

小さくなってて

かわいい



私の記憶が確かなら

私と樽崎くんは

付き合ってもうすぐ3ヶ月経つ



「あの…樽崎くん
明日休みだし…」



「うん、休みだね」



「だから…」



パチン…



「うん、沙和どこか行きたい?」



「あの…ふたりとも風邪も治ったし…」



「バイクは寒いから春まで禁止
また沙和のこと風邪ひかせたくねーし…」



「うん、バイクじゃないんだけど…」



「あ、もしかして沙和、予定あった?
それならオレ、適当に過ごすから
気にしないで行って来いよ
せっかく体調よくなったし…
それとも
たまにはひとりでゆっくり読書したい?」



「うん…そーじゃないんだけど…」



「なに?」



パチン…



非常に言いにくいんですけど



「お泊り、しませんか?」



パチン…



「え?おとまり?…って?」



「今日は…
私の部屋に、お泊りしませんか?」



「沙和の部屋?」



あ、変なこと言ってる





同じ屋根の下に住んでるのに

お泊りとか

よくわかんないよね



「アメもしばらく樽崎くんと寝てないし…
樽崎くんも、アメと久々寝たいでしょ」



苦しい言い訳



「んー…」



つれない返事



パチン…



「あ、私はソファーで寝てもいいし…」



パチン…



「なんだ…
沙和は、オレと寝たくないんだ」



「え…

寝たいです」



「フ…じゃあ、泊まろーかな…
沙和の部屋に」



パチン…パチン…



あー

耳が熱い



完全に誘った



頑張った





頑張らなくても

自然にできるようになりたいよね



これじゃホントに

中学生だね

私たち