この恋は、『悪』くない。


「おー!晴輝
昨日、サボったろ」

「晴輝いなくて淋しかった♡って女子たちが…」

「言ってないし!」

「キャハハハハ…」



あ…今日

樽崎くん来てる



「山咲、昨日
アメオのところ行ってくれただろ
毛布、ありがと…」



「え…あ…うん…」



急に樽崎くんが私に話し掛けたから

教室中が注目してる気がした



申し訳なくなる



「はい、みんな席つけー!
出欠とるぞー!
阿部…伊藤…今井…………」



樽崎くんは

私みたいな人に

話し掛けて

恥ずかしくないのかな?



ゴホゴホ…



まだ咳してる

やっぱりサボりじゃないよ

大丈夫かな?



樽崎くんも昨日

アメオのところ

行ったんだ



あの新聞紙は

やっぱり樽崎くんが替えたのか



このまま

飼い主が決まらなかったら

どーするんだろ…



「山咲…山咲…山咲!
おーい、欠席か?」



「あ!はい!」



「山咲、大丈夫か?
具合悪いなら保健室行けよ」



「大丈夫です」



変に

目立ってしまった



樽崎くんの背中が

少し笑った気がした