目を閉じて
開けたら
少し視界が明るくなってた
目の前に
長いまつ毛と
整った鼻筋が見えた
ん?
樽崎くん…?
寝てるの?
カーテンの外の気配が
明け方だった
もぉ朝かな?
慌てて起き上がろうとしたら
動けなかった
そっか、私
熱が出て寝てたんだった
樽崎くんの大きい手が
私の手を握ってた
温かい
支配されてて
自分の手じゃないみたい
樽崎くんが近くて
また全身が熱くなった
綺麗な顔
コンタクトしてなくても
はっきり見えるくらい
樽崎くんが近くにいる
目を閉じる前は
この唇に支配された記憶
夢だったかな?
樽崎くん
ずっとそこで寝てたの?
寒くないかな…?
寒いよね
樽崎くんの足元に
コンビニの袋が置いてあった
コンビニ行くって出て行ったんだよね
繋がれてない方の手で
そっと樽崎くんの頬に触れた
冷たい
私の手が熱いだけ?
「…ん……沙和………起きた…?」
「ん、うん…」
慌てて手を布団に隠した
長いまつ毛が動いて
近くで目が合った
「…具合…どぉ…?
…
熱、は…?さがった?」
綺麗な目
ドキドキするのに
吸い込まれるみたいに目が離せなかった
「ん…どーかな…」
樽崎くんの額が
そのまま私の額にくっついた
息が止まる
またキスされるかな…
目を閉じたら
「うん、ちょっと下がってそうだな」
そう言って樽崎くんは
私から離れた
私
期待した?
樽崎くんのキスが
脳裏から離れない
身体が熱い
私の熱は
どんどん上がってる気がする
「あの…
…
私、樽崎くんに…」
「ん?なに?」
「キス、された…?」
「…」
樽崎くんの答えがなくて
変な質問してるって
焦った
「あ、
やっぱり、夢だったかも…
なんか、私、熱のせいかな…変だよね」
仮に本当に夢だったとしたら
催促してるみたいじゃん
そんな夢みてんの?って
思われちゃう
「まだ、熱、あるみたい
また、寝ようかな…」
樽崎くんが
どんな顔してるのか
ボヤけて見えない
「夢、じゃねーけど…
…
アレ、キスとかじゃなくて…
風邪って人に移すと治るとか
前に誰かが言ってて…
…
なんもできないから、オレ
オレに移せ
…
だから
キスじゃないから…
安心して…
…
あ、ぬるくなったかもだけど
スポーツドリンク買って来た
あと、沙和がいつも食べてるヨーグルト」
樽崎くんの足元にあった
コンビニの袋を渡された
「うん、ありがと…」
「じゃ、オレも部屋で少し寝るわ
おやすみ…」
「うん、おやすみ…」



