翌日

帰ったら

知らない人がいた



え…

誰?



前もこんなことあった



やっぱりちゃんと鍵しめようよ



「おかえり」



「え…あの…」



声が



「オレだけど!フ…」



樽崎くん



「え!樽崎くん!」



なのに

昨日までの樽崎くんと

違った



どこが?



「髪、切ったの?」



「うん」



「えー!ビックリした」



どことなく見覚えがあるシルエットは

そぉ

中学の時の樽崎くんだ



前髪が少し目にかかってて

気怠そうで



でも



「フ…ハハハ…
沙和、本気で驚いてて、笑える」



笑うと

優しい顔になる



中学の時の

樽崎くんだ



「どーしたの?急に…短くして」



「別に伸ばしてたわけじゃないし…」



樽崎くんが前髪をかき上げた



前に言ってたよね

なんかないと切らないって



「なんか、あったの?」



「やー、同居から同棲になったわけだし…
沙和の両親に
挨拶しといた方がいいかな…って…

大切なひとり娘じゃん
同棲なんて!って
あとあと言われるのヤダし…
ケジメとして…」



そんな…



ホントに付き合ってるんだね

私たち



なんか

まだ実感できない



「え、いいよ…」



「もっと髪短い方がよかった?」



「んーん…
うちの親もそれぞれ好きな事やってるし
別に挨拶なんていいよ」



「フ…オレなんかが行ったら
尚更心配かけるか…」



「んーん…
気持ちだけで、嬉しいから大丈夫だよ
ありがと…

あ、でも
せっかく髪切ってくれたのに、ごめんね」



「いや、それは別に…
これでスーツ着たら
ちょっとは沙和に並べるかな…って
まぁ、スーツも持ってないけどね」



それは

ずっと私が思ってることで



どぉしたら私は

樽崎くんと

釣り合うかな?



不安になる



樽崎くんも同じ気持ちなの?



「樽崎くんは
そのままで大丈夫だから…」



もぉそれ以上

かっこよくならないでよ



私は

とりあえず

ダイエットしよう