この恋は、『悪』くない。


「ちょっと歩かね?
オレのリハビリがてら…」



なんか

気不味くなっちゃったね



「うん…無理しないでね」



公園の水辺の周りを歩いた



バイクもいいけど

樽崎くんと一緒に歩くのもいいね



一緒に帰った中学生時代を思い出した



「樽崎くん…」



「ん?」



「まだ、一緒に住んでても大丈夫かな?」



「前も言ったじゃん
オレはいつまでいてもらってもいいって」



うん

言ってくれたよね



でも

ホントにいいのかな?



「あ、オレの飯作るの
いい加減嫌気がさした?

沙和の作る飯が美味くて
ついつい甘えてた
ごめん…
これからは、なるべく自分でしまーす
けど、スゲー助かってた
ありがと

別に沙和にオレの世話してもらうために
いてもらったわけじゃないし…

ただいてくれたらいいから…」



ただいてくれたら…



「ご飯作るのは嫌じゃないよ

私も助かったよ!
家賃も浮いてるし…」



「え、じゃあ、なに?
他に一緒に住みたいヤツできたとか?」



「違うけど…」



「なんだ、違うんかよ!

じゃあ、いんじゃね?

けど…
もし、沙和にそーゆー人ができた時は
いつでも出てけよ」



「え?」



「だって、男と同居してるとか
どんな理由でも
彼氏だったら許さねーだろ
オレだったら殴るかも…ハハハ…」



樽崎くんが笑いながら言った



私に彼氏なんて…



「樽崎くんこそ
彼女できたら、どぉ説明するの?
その時は私出て行くから、いつでも言ってね
部屋を探す都合もあるので
なるべく、早めに!」



そう言いながら

胸に何か支える



でも

いつか

そぉなるよね



いつもそればっかり

考えちゃう



「家に女連れ込んだことねーし…

アメいるから
カズさえもオレの事故なければ
ホントは入れたくなかった」



それなのに

私のこと

同居させてくれた



樽崎くん

優しいもんね



私が困ってるから

優しくしてくれる



ただ

それだけ



「ポカポカしてて気持ちいいね」



「え、話、終わり?」



「うん…」



ずっと

こーしてたいな…

樽崎くんの隣で



なんてことない話を

ずっとして



笑って



余計な事は考えないで



少しでも長く



無理か…

私達は

もぉ中学生じゃなかった