樽崎くんのバイクに乗って

樽崎くんの背中に掴まって

少し離れた公園まで来た



「安全運転だったっしょ?」



「うん、安全運転だった
天気が良くて気持ちいいね」



バイクから下りて

軽く伸びをした



「なんか、生きててよかった、オレ…」



ヘルメットを取った

樽崎くんの髪が

靡いた



「なに?急に…」



「今、そぉ思ったから言った」



泣きそうになった



さっき私も思ったから

樽崎くんがいてよかったって…



「樽崎くん、あそこのベンチ座っててよ
私、飲み物買って来るよ
コーラでいい?」



「うん、ありがと」



言葉につまって

樽崎くんから離れた



空が蒼くて気持ちよかった



まだ手に残る

樽崎くんの感触



樽崎くんの背中は

広くて優しくて

温かかった



ドキドキした



生きてるって

なんか、いいね