この恋は、『悪』くない。


「リハビリ、順調?」



「うん、来月から仕事行けるかな…」



樽崎くんの家に住んで

もうすぐ2ヶ月



樽崎くんのケガも

順調に回復してきてる



樽崎くんのケガが完治したら

私がここにいる意味が

なくなる気がする



「私はまだここにいてもいいのかな?」



「なに?
いい物件見つかった?」



「見つかってないけど…」



探してもない



「じゃあ、いていんじゃね?
オレは別に
いつまでいてもらってもいいけど…」



樽崎くん

歩けるようになったら

また夜の繁華街に遊びに行くのかな?



再会した日を思い出した



「樽崎くん、早く遊びに行きたいでしょ
ずっと家にいたから退屈だったね」



「あー、カズには誘われてるけど…」



やっぱり行くんだ



そしたらまた

女の子と寝ちゃうんだ



「そーなんだ…
早く行けるといいね」



ホントに思ってる?





「行かねーよ」



「ん?なんで?」



「だって沙和、今嫌そうな顔した
沙和が嫌なことしないから、オレ」



「したかな?私」



確かに



嫌なんだよ



早く行けるといいなんて

思ってないのに言った



ただの同居人の私には

行かないで…なんて

束縛する権利ない



「家にいても
それなりに楽しいし…
酒、そんなに強くないし…」



そっか…

アメいるもんね



アメもよかったね

樽崎くんとずっと一緒にいれたね