この恋は、『悪』くない。


「沙和ー、コレ、エアコンのリモコン

ゴミの日は、キッチンのカレンダーに
貼ってあるから…
8時半までに出して

それから…
アメ、オレの部屋来ないから
ここで寝ると思う
猫って階段上れねーのかな?
そんなわけねーか」





ホントに

樽崎くんと住むんだ



「沙和ー、洗濯機の使い方わかる?
ココ、風呂ー
洗濯はここに干して…」



樽崎くんのパンツが干してあった



それは

干してあるさ



だって

樽崎くんの家だし



私の下着はどこに干したら…?



「沙和ー、コレ、一応、家の鍵
いつも鍵掛けてないけど
沙和が帰って来たら
絶対、鍵掛けろよ!

沙和が連れてかれたらヤダから」



「ハハハ…連れてかれないよ」



「沙和が、いなくなったら、ヤダから…」



私は笑ったのに

樽崎くんは

笑ってくれなかった



ほらまた

捨て猫みたいな顔をする



「いなくならないよ」



そう言ったら

樽崎くんは

優しい顔になった



好きだな

その顔





ホントに

樽崎くんと住んでいいの?



もっと

好きになっちゃうよ