明日は来ないね
そう言ったのに
残業で遅くなったけど
樽崎くんの家に
足が向いてた
「樽崎くん、ご飯食べた?」
「来なくていいって言ったのに…
来たの?」
「うん…ごめんね…」
「おつかれさま
沙和、疲れてない?」
「うん、大丈夫だよ」
樽崎くんの顔が見たかった
「オレは、食べたけど
沙和は?ご飯食べたの?」
「私は大丈夫
お腹空いてないから」
樽崎くんに会ったら
胸がいっぱいになった
「遅いから、駅まで送ろうか?」
来て早々
送ろうか…って…
「やっぱり私、来ない方がよかったかな?
…
ご飯食べ終わった後に来ても
意味なかったね」
樽崎くんは
私に会いたいとか
そんな感情はない
来なくていいって
言われてたのにね
私が勝手に
樽崎くんに会いたくて来た
「ひとりで帰れるから、大丈夫だよ」
「毎日沙和が帰った後
ちゃんとアパート着いたかな?って
いつも心配なんだよね」
「ん?私?そーだったの?
ハハハ…私、子供じゃないから大丈夫だよ」
「沙和…」
「ん…?」
明日も来なくていいよ
そう言われるのかな?
こわい



