樽崎くんの下駄箱をチェックするのが
日課になった
一緒に帰りたいんじゃなくて
その逆
いつもビクビクして
チェックする
誰かに見られたら変に思われるし
外履きがあったら
まだ学校にいるってことだから
樽崎くんが後ろから来るかもしれない
今日は…
下駄箱に内履きがあった
帰ってる
よかった
クシュン…
「山咲!」
くしゃみと一緒に樽崎くんの声がした
「わあ!!!」
ホッとしたのに
下駄箱の陰に樽崎くんがいて
ビックリした
「ブハハハハ…
そんな、驚かなくてもいいじゃん」
「だって…」
もぉ帰ってると思ったのに…
油断した
ゲホゲホ…
樽崎くんが笑いながら
咳をした
風邪?
「山咲、ちょっと来て…」
え…
なに?
呼び出し?
「あの…私…」
「時間ない?」
また睨まれた
こわい…
時間なくもないけど
こわい…
「あ、はい…うん…あの…」
「じゃあ、ちょっとだけ」
え…
なに???
断わるのも
こわい…



