この恋は、『悪』くない。


久しぶりに

会社の帰りに樽崎くんの家に向かった



やっぱり

会いたい



アメに?

それとも…



家の前に樽崎くんのバイクはなくて

いつもみたいに勝手に家に入った



「アメ…」



アメがいつもいる部屋を開けた



ニャー…ニャー…ニャー…



「アメ、久しぶり!
元気だった?」



どれくらい来てなかったかな?



ニャーニャーニャー…



「ん?アメ?どーしたの?
私のこと、忘れた?」



ニャー…ニャー…



アメを抱き上げた



「ん?アメ
今日、軽いね
お腹空いた?」



ニャーニャーニャー…



「ん?」



アメの鳴き方が

いつもと違う気がした



「ごめん、アメ
わかんない」



わからないけど

何か違う



樽崎くんなら

アメの気持ちわかるのかもしれない



「アメ、ヨシヨシ…
もぉすぐ樽崎くん帰ってくるかな?」



ニャーニャーニャー…