樽崎くんは
もぉ来ないでほしいかもしれないけど
仕事が早く終わった日は
またアメに会いに行った
樽崎くんが帰ってくる前に
帰るようにした
なんとなく
会いにくかった
会っても何話していいか
わからない
共通の話題もないし…
今までだってそぉだった
何ひとつ私と樽崎くんには
共通するところがない
10年前から
そぉだった
ニャー…ニャー…
アメがいたから
少しずつ話すようになった
それ以外は
住む世界が違う人だった
今も
アメがいないと
ここに来る意味がない
「アメ、またね…
また来るからね
また来てもいい?」
膝の上でアメを撫でた
ニャー…



