この恋は、『悪』くない。


「今日はありがと
澤村さんの好きな場所、教えてくれて…」



「いえ…
押し付けみたいでスミマセン」



「押し付けなんて思ってないよ
そしたらオレはいつも押し付けだろ
それなのに澤村さん
いつもニコニコしてついて来てくれるし…

なんか勘違いするんだよね
今日も断わってくれてもよかったのに…」



「え…」



来ちゃダメだったかな?



「今日は久々充実した休みだった
デートじゃないけど、楽しかった
ありがと

告白が先になっちゃったけど
オレはまだ澤村さんのこと
諦めてないと思う

休みの日、何してるのかな…とか…
どんな服着てるのかな…とか…
普段知らない部分を知りたいと思う

男って、そぉ簡単に好きって言わないよ
まぁ、言う人もいるかもしれないけど…

オレは奥さんと別れてから
初めて言ったのが澤村さん」



改めて

森谷さんは

真剣だったんだって思った



なのに

私は…



「すみませんでした」



「ハハ…謝んないでよ
別に澤村さん悪くないから…
ただオレの気持ち言っただけ
これも押し付けだよね
ハハハ…」



森谷さん

優しいな



奥さんには

もっと優しかったのかな?



「でも…
森谷さんまだ奥さんのこと
好きですよね?」



森谷さんの

セットされてない髪が

サラサラ揺れた



「そぉかな…」



森谷さんは

否定はしなかった



「そぉだと思いますよ
奥さんのこと話す時の森谷さん
恋をしてる顔をしてますよ」



「ハハ…どんな顔だよ」



森谷さんは笑ってごまかした



私は

ずっと奥さんに勝てないかも…