俺は霖也が撃つ玉を避けながら霖也の間合い入り、拳を入れた。


これは一か八かの最後のチャンス。


霖也を目覚めされるための。


「俺は、大輝さんを傍で支えてるあんたを尊敬してた。」


「仲間思いで、曲がったことが嫌いなとこ。お笑いとかには疎くて、ダジャレが下手なとこも!全部全部!尊敬してた!」


俺は拳を入れながらも霖也に語りかけた。


少しでも俺の言葉が届くように。


「俺はなぁ、誰にでも好かれて、いつも周りには人がいて幸せそうに笑ってるお前が憎くて…嫌いだったよ」


俺の言葉に反発するように霖也はそう言いながら銃を撃ったり、蹴りを入れてきたりしてきた。


「大輝だってそーだ。いつも正論ばかり述べて、何一つわかっちゃいなかった!」


「(だからあいつは…)」


霖也…?


お前は何を考えてるんだよ…


1人で何を抱えてるんだよ…


そう思った時だった。俺は足を滑らせ、尻もちをついた。


「璃羽都。これで終わりだよ」


そう悲しそうな顔をした霖也は俺に銃を向けた。


殺られる。


そう感じた時だった。


「霖也!待って!」


この声…未雨?!


霖也が撃とうとした時に未雨がかけつけた。


「霖也、話がある。」


「霖也はヤクザに騙されてたんだよ。」


未雨?


「ここにいる人は誰も悪くないんだよ。ねぇ、霖也。本当は気づいてたんでしょ?」


「大輝さんを殺したのも、霖也の両親を殺したのもヤクザだってこと。」


「そして、私の両親や璃羽都の両親を殺したのも…。」


どういうことだ?


「おい、霖也どういうことだ!」


「私が全て説明する。過去にあった真実を。」