猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~

「へんしゅーちょ~……大作が…できました~~……」

300ページ超えの大作を、編集長へ渡した所でハッと目が覚めた。

「……夢か」

なーんだ、と両手を上げて伸びをする。テーブルなんかで寝てたから体がギシギシと痛い。

(あ、実森の様子はどうかな)

そーっと起き上がり実森の方へと顔を向けると、そこに実森の姿は無かった。

「あれ?トイレか?」

上に掛けてあったタオルケットを畳み、トイレへと向かう。

「実森~?トイレ~?」

コンコン――、とノックをしたけど返事なし。

「実森~?いないの~?」

再度ノックをするも応答なし。

「トイレじゃないのか?」

そう言ってハッとする。

まさか、倒れてる!?

「実森!?」

と思い勢いよくドアを開けたけど、実森の姿はなかった。

考えてみれば、鍵がかかってなかった時点でいないよね。

「アイツ、どこ行っ……」

部屋へ戻り、テーブルに目をやると書き置きの様な物が置いてあった。

なんか嫌な予感がして慌ててそれを手に取り、読む。

「……あのバカ……!」

あたしは上着を手に取り、急いでmilk teaへ向かった。