猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~

余程このお店に行ってみたかったのか、私の言葉に三毛さんの顔がパァァァッ!と輝きを取り戻す。

「えっ!?いいんですか?」

「はい。そんな事ならお安い御用です!!」

「あ、ありがとうございます!!」

自分が無理を言っていると勘違いしている三毛さんは、頭を何度も下げている。

でも、三毛さんは気付いていないかもしれないけど、私にしたら三毛さんとデートが出来るなんてご褒美以外にない。むしろ、私がお願いしたいくらいだ。

(やったー!今度こそ本当に三毛さんとデート!!)

心の中でガッツポーズをしていると、「じゃあ……」と三毛さんが再度携帯を差し出して来た。

「……?画像はさっき見せてもらいましたよ?」

私が首を傾げると、「あ、そうじゃなくて……」と言って三毛さんがモジモジし出した。ん?なんだろう??

「あの、連絡先、交換しませんか……?」

「えっ……!?」

私は目が飛び出るんじゃないか、と言う勢いで驚く。

「い、良いんですか?」

これ以上のご褒美があって良いの?

恐る恐る尋ねると、三毛さんが満面の笑みを浮かべて頷いた。

「あ、あの、じゃあお願いします!!」

そう言って私も携帯を差し出し連絡先を交換した。

「じゃあ、詳細はあとでまた連絡しますね。実森さんも何かありましたら連絡下さい」

「はいっ!!」

「じゃあ、おやすみなさい」

「はいっ、おやすみなさいっ」

三毛さんがペコっとお辞儀をして来た道を帰って行った。