「……なんだったの……?」

ボソッと呟く。いつもの三毛さんからは想像出来ないくらいテンパっていた気がするけど。

「脈ありって事なんじゃないか?」

金さんが、お手拭きで手を拭きながら言った。

「え?」

脈あり?それって……。

「……本当ですか?」

「いや、断言は出来ないけど、さっきの反応。ありゃあ満更でもないって感じだったな」

「…………」

確かに、今までとは全然違う反応。

あんなに顔を真っ赤にしてる三毛さん、初めて見た。

(私、頑張っても良いのかな?)

希望の光が見えたって、思ってもいいんだろうか。

「アール、どう思う?」

アールに問い掛けると、尻尾の先を少し動かしただけだった。

「……つれないわねぇ」

寝ているアールの頬を、ツンツン!と突付いた。

この時、大分と浮かれていた私は、生田さんの冷ややかな視線に全く気が付かなかった。