「美砂もよく似合ってる」

藍がそう言い、唇を重ねようとした瞬間、「グロス取れちゃうでしょ!」と互いの母親に止められてしまった。

その後、母親から「綺麗ね。藍ちゃんと幸せになってね」と言われながらベールを下ろされ、愛を誓うために祭壇まで向かう。その間、二人は互いのことを何度も見つめ、そのたびに目が合った。

「ねえ、美砂……」

歩きながら藍が呟く。

「私を選んでくれて、ありがとう」

真剣なその言葉に、美砂は「何言ってるのよ」と泣きそうになりながら微笑む。

「私の方こそ、ありがとう。二人で幸せになろうね」

扉がゆっくりと開いていく。これから、二人を祝福してくれる人たちの前で愛を誓うのだ。二人は微笑み合い、中へと足を踏み出した。