二人で学校に着き、れいくんと靴箱でバイバイをして教室へ向かった。

今日から新しいクラス。

一年生の頃は、極力目立たないようにずっと静かに教室の隅っこにいたからよかったものの。
二年生の新しいクラスでどうなるか分からないから正直不安だ…。

新しいクラス番号と名前が載ってある掲示板を見ながら自分の名前を探す。

えっと…、あった!
二年四組。

今年こそ、友達できるといいなぁ。

うちの学校はクラス以外、一年生の頃に決めた委員会や係の仕事は変わらない。
だから、一度自分の決めた物事はしっかりやるように。というのがこの学校の教訓らしい。

だから私は、今年も生活委員。
しっかりこの仕事を頑張らないと…!

私はウィッグも被ってるし、前髪で目が見えないほど顔を隠してるけれど一応校則では、成績に支障をきたさなければ注意はされない。

授業態度やテストとかはある程度頑張ってたりするし、成績は上の中くらい。
いい方だとは思うから、きっと大丈夫なはずだ。

いろいろなことを考えながら、新しい教室の前まで着いた。
やっぱり緊張するな…。

思い切ってゆっくりと静かにドアを開けると、教室の中には半分ほどの生徒がいて、すでに仲の良い人たちで固まり楽しそうにお喋りしていた。

うぅ、どうしよう…もう仲の良い人たちでお話ししてる。


でも私、今年は絶対に仲の良い友達を作るって決めたんだ…!
頑張ろう!

少し緩んでしまった気を再度引き締め、軽く拳に力を入れた。

そういえば…私の隣の席の人はまだ来ていないみたい。

男の子でも、女の子でも仲良くできたらいいな…!

そう思った時、勢いよく教室の扉が開いた。
その音にびっくりしたクラスの人たちが一斉に扉の方へ視線を向ける。