「これ雪にあげる。プレゼント」

中から取り出したのは雪にあげるために買った可愛らしいリボンの付いた髪ゴム。

「えっ!私に?!」

差し出した瞬間、嬉しそうに目を輝かせた雪。
髪ゴム一つでこんなにも喜んでくれるなんて、雪は本当に素直で純粋だ。

「学校ではウィッグだから髪ゴムを付けさせてあげれないけど、家では付けてほしいな」

「うん!大切にするね」

っ…可愛い。

こんなもので喜んでくれるのなら雪にはなんだってプレゼントしてあげたい。

それにしても、メガネと前髪で顔の大体は隠れてるが笑ってしまうと雪の可愛さはやっぱり隠しきれていない。

髪の隙間から見える雪のほころぶ笑顔がとても愛おしい。

雪の素顔がバレたら学校中の野郎たちは隅に置けないな…。

髪ゴムを大事そうにそっと鞄の中に入れた雪。

行動さえも可愛くてため息が出る。

周りの奴らなんて視界にも入れさせない。
雪のそばにはずっと俺だけがいればいい。

だから、雪もずっと俺だけを見ていて…。